管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)や3次元CADの普及とともに、建設業界でも設計データを基に自動的に立体模型を作る3Dプリンターを活用する企業が増えてきました。
しかし、建物の模型を作るうえでネックになっていたのは、窓ガラスやカーテンウォールの表現です。プラスチックや石こう系の材料だと、窓ガラスの部分に穴を開けてアクリル板などを貼り付けたり、外面に水色を着色したりすることで対応することが多かったのではないでしょうか。
オブジェット ジオメトリーズ社(Objet Geometries, Ltd.本社:イスラエル)が6月21日に発表した新型3Dプリンター「Objet260 Connex」は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
透明なガラス付きサッシ
の模型が作れてしまうのです。
新型3Dプリンター「Objet260 Connex」(写真:オブジェット ジオメトリーズ社) |
この3Dプリンターの特徴は、世界で初めて、2種類の材料を使って同時に造形できる機能を搭載したことです。材料はカートリッジで交換でき14種類も用意されています。その中には硬質材料から、ゴム、ABS樹脂的な産業用プラスチック、そして透明な材料が含まれています。
例えば、窓枠用に産業用プラスチック、ガラス用に透明材料を使って造形すれば、マリオン付きのカーテンウオールや窓ガラス付きサッシなどが一発で作れてしまうというスグレモノなのです。
また、「デジタルマテリアル」というものを使うと、2種類の材料の混合比率を変えながら中間的な様々な材質を使った模型を造形できます。例えば、舌の部分が軟らかく、歯は硬く、本体はその中間の硬さを持った恐竜の模型や、各部に違う色のパーツをちりばめたフィギュアなども作れます。
透明材料で造形した部材(左上)。豊富な造形材料(左下)。デジタルマテリアルを使って2種類の材料の混合比率を変えながら各部を造形したフィギュア(右)(写真:家入龍太) |
舌の部分だけが軟らかい恐竜の模型(左)と軟らかい半透明の材料で作った心臓の模型(右)(写真:家入龍太) |
造形できる模型のサイズは255mm×252mm×200mmで、造形ピッチは高さ方向で16ミクロン、水平方向で42ミクロンと精密です。本体のサイズは870mm×735mm×1200mm、重量は264kgとなっています。
このユニークな3Dプリンターは、本日(6月22日)から東京ビッグサイトで開催される「第22回設計・製造ソリューション展(DMS)」で、
世界で初めてお披露目
されます。
販売代理店のアルテックまたはファソテックのブースで展示される予定です。ご興味のある方はどうぞ。
6月21日に開催された新製品記者発表会(写真:家入龍太) |