管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が意匠設計以後の構造、設備などの設計にも広がってきました。
これまで、BIMモデルのデータ交換用共通ファイルである「IFC形式」の入出力に対応した設備設計用のBIMソフトとしては、オートデスクの「Revit MEP」や、NYKシステムズの「Rebro」などがありました。
そこに、設備設計CADの大手、ダイテックが新製品「CADWe'll Tfas IV」シリーズを10月に発売しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
IFCの入出力機能
を搭載し、本格的な設備用BIMソフトとなったのです。
電気・空調・衛生設備統合版の「CADWe'll Tfas IV」と、電気設備用の「CADWe'll Tfas IV E」があります。
他のBIMソフトで設計した建物のモデルデータを読み込むことは、前バージョンでも可能でした。今回、IFC出力機能が追加されたことで、このソフトで設計した設備のBIMモデルをIFC形式で書き出し、他社の意匠設計用BIMソフトなどに読み込ませることで、躯体と設備を一つのBIMモデルとして統合することができます。
設計機能としては、3D画面上で部材や配管ルートの移動、レベル変更などができるほか、3D画面と2D図面の連動、3Dによる干渉チェック、AVI形式による動画ファイルの出力など、BIMソフトとしての設計、編集機能がそろっています。
この製品のユニークなところは、同社のインターネットによるオンラインサービスサイト「WebCADD.com」から、
6分単位でレンタル利用
ができることです。両ソフトは11月1日からサービスの提供が始まります。
11月1日からは、使った時間だけ料金を払う従量課金のサービスも始まる |
IFCに対応した3次元の設備CADソフトが増えてくると、設備設計の実務でもBIM活用が加速しそうです。設備と意匠を統合した省エネ性が高く、メンテナンスがしやすく、コンパクトな建物がBIMによるデータ連携で実現することを願っています。
(訂正)当初、「空調・衛生設備用のCADWe'll Tfas IV」と標記していましたが、同ソフトには電気設備の設計機能も入っていますので、「電気・空調・衛生設備統合版の」という表現に修正しました。