管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が、意匠設計から詳細設計、そして生産設計へと、だんだん細かい設計分野まで広がってきました。
そのためか、BIM関連のセミナーやシンポジウムでも、様々なBIMソフトの名前が聞かれるようになりました。最近はボルト1本、架設用の吊り金具1個に至るまで、3次元で設計し、干渉チェックを行うといった事例も報告されています。
その詳細な構造設計に使われている代表的なソフトが、テクラが開発・販売している「TeklaStructures」というソフトです。
これまでは、意匠設計用のBIMソフトで作成したBIMモデルデータを受け取り、製作・架設に向けての生産設計を行う例が普通でした。
ところが、テクラとソフトウェアセンターは、このワークフローをさらに短縮できるソフトを10月20日に提供を開始しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
一貫構造設計からTeklaに
データを自動変換して受け渡せるものなのです。
「TSSファイルコンバータ SIRCAD→ Tekla Structures 変換(鉄骨版)」(以下、TSSファイルコンバータ(鉄骨版))という製品です。
「Super Build/SS3」や「SEIN La CREA」、「BUS-5」など、一貫構造計算ソフトで作成したデータを、ソフトウェアセンターの「SIRCAD」を経由して「TeklaStructures」用のモデルデータに瞬時に変換するアドオンソフトなのです。
一貫構造計算データを「SIRCAD」経由で「TeklaStructures」のモデルデータに一括変換できる「TSSファイルコンバータ(鉄骨版)」(資料:テクラ) |
このソフトにより、構造設計者はBIMモデルを一貫構造計算プログラムのデータをTeklaStructuresに読み込み、そこから詳細検討業務を開始できるので、大幅な効率化が実現します。
自動変換できる部材は、S柱、S梁、S小梁、鉛直ブレース、水平ブレースです。一貫構造計算プログラムで各部材の仕様を決めた後、TeklaStructuresのデータに自動変換できると入力ミスもなくなりますね。
ちなみに、TSS ファイルコンバータ(鉄骨版)の価格は7万円(税別)で、別途年間保守費が1万円必要です。また、このコンバータはSIRCADのアドオンソフトなので、別途SIRCAD本体が必要です。
両社ではさらに開発を進め、
「鉄骨+RC版」の提供
も予定しているとのことです。
鉄骨や鉄筋コンクリートの一貫構造計算が終わった後、すぐに生産設計に取りかかれるようになると、設計・施工のワークフローはかなりスピーディーになりそうですね。