管理人のイエイリです。
オフィスの窓に付いているブラインドを少しでも開けていると、窓際の席にいる人がまぶしすぎて、昼間はいつも全閉状態になりがちです。
その結果、光があり余っている昼間でもオフィスの照明を点灯させることになり、もったいないですね。
そこでニチベイは昼光利用を効率的に図れる省エネルギーブラインド「グラデーションブラインド」を開発し、今年12月3日に発売することになりました。
ブラインドで入射する自然光を部屋の天井に向けて反射することで室内を明るくし、
ナ、ナ、ナ、ナント、
照明用電力を34%も削減
できる(建物の東西南北面の平均値)のが特徴なのです。
自然光を天井に反射させるグラデーションブラインド(左)と一般のブラインド(左)。天井の明るさが全く違う(写真・資料:ニチベイ。以下同じ) |
その秘密は、「スラット」と呼ばれるブラインドの羽根の取り付け角度にあります。一般のブラインドは上から下まで同じ角度なのに対し、グラデーションブラインドの場合は上の方は水平に近く、光をダイレクトに取り込みやすくなっているのに対し、下の方はほとんど全閉状態です。
その理由は、ブラインドが開いているときに、下部の光を天井に反射させることで窓際の席にいる人に直射日光が当たらないようにするためです。
ブラインドの上下でスラットの角度に違いを持たせることにより、部屋に入射した光をすべて天井に向けて反射し、天井からの間接照明によって室内全体を照らすことができるのです。
入射光をすべて天井に反射させて間接光として利用するグラデーションブラインドの原理。照度解析でも室内全体が明るくなることが分かる |
ブラインドの上下で違いを持たせたスラットの取り付け角度 |
スラットには日射反射率を高めてより室内の奥まで光を運ぶ「遮熱スラット」や、防汚効果のある「フッ素コート遮熱スラット」、さらに抗菌や消臭の効果もある「酸化チタンコート遮熱スラット」が用意されています。
さらに、グラデーションブラインドには、電動タイプも用意されており、
ブラインド昇降やスラット角度
を自動制御することができるようになっています。
高度化するスマートビルのニーズに対応したもので、太陽の高さが変わっても、専用コントローラーでスラットの角度を常に最適に保てるようにしました。
最大255台、255グループまでを制御できます。ブラインド本体とコントローラー間、ブラインド間は双方向通信を行うようになっており、どのブラインドにもコントローラーを取り付けられます。
グラデーションブラインド自体は、スラットの角度を調整する「ラダーテープ」のピッチをブラインドの上下で変えるだけでできるので、ほんのちょっとした工夫です。これまでのブラインドの歴史の中で、なぜ、こんな単純なことが実現できなかったのか、目からウロコですね。