管理人のイエイリです。
竹中工務店は建物の内部を、VR(バーチャルリアリティー)化し、球面スクリーンに投影してリアルに見られる広視野角視角シミュレーター「visiMax」を2001年に開発しました。
同社は2012年にこの装置をBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)対応に改良し、5人程度が同時にBIMモデルの内部に入ったかのように、天井の高さや空間の広がり、室内の奥行き間などを立体感あふれる疑似空間として体験できるようにしました。
visiMaxの外観(左)とVRを体験中の様子(写真・資料:竹中工務店、以下同じ) |
そして今回、visiMaxを可搬型にした「visiMax Mobile」(登録商標)を開発し、
ナ、ナ、ナ、ナント、
本格的VRを会議室に出前
できるようにしたのです。
会議室など4m四方程度の床スペースがあれば「空間没入感」のあるリアルなVRを体験できるというわけです。
可搬型の「visiMax Mobile」 |
「visiMax Mobile」を組み立てると大きさは直径4m、高さ3mになります。完全遮光の曲面スクリーンと特殊な魚眼プロジェクターを使用して、固定型の「visiMax」と同等程度の性能を持っています。
曲面スクリーンは自立・自動展開方式なので投影準備作業は15分程度、撤収は10分程度と、設営もスピーディーです。電源は100VでOK。
システム全体の重量は50kgとコンパクトです。訪問先への搬入はスーツケース3個に収納し、
2人でタクシーで搬送
できるというバツグンの機動性を持っています。
また、会議室の白い壁3面に魚眼投影するだけでも、空間没入感のあるVRが体験できるとのことです。
同社はVRプレゼンテーションで他社に先駆けて3次元ゲーム技術(米国エピック・ゲームズ社の「UNREAL Development Kit」)を導入しており、さらに新しい3次元ゲーム技術(米国ユニティーテクノロジー社の「UNITY」)を活用して簡単・スピーディーに建築VRプレゼンテーションのコンテンツ制作手法も構築しています。
建築や開発計画の意匠から施工計画、都市計画まで、幅広いプロジェクトのプレゼンテーションに、3次元ゲーム感覚の自由自在な視点移動を使った説明が活用できそうです。