管理人のイエイリです。
「実弾が発射できる銃を作った」など、世の中は今、3Dプリンターの話題で持ちきりです。しかし、実際に3Dプリンターでモノを作るのはなかなか難しく、もととなる3Dデータの作成や調整などで手間取ることが多々あります。
そこで米国オートデスクは、この状況を改善しようと、3Dプリンター向けに新しいプラットフォーム「Spark」を開発するとともに、
ナ、ナ、ナ、ナント、
独自の3Dプリンター
を開発したのです。これらは2014年下期に提供を開始すると発表しました。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの3Dソフトで有名な同社が、3Dプリンターを発売するというニュースだけでも超、オドロキです。
しかし、今回の発表には、さらに同社の3Dプリンター分野における戦略的なものが感じられます。
それは今回、発表された「Spark」です。3Dプリンターを使うとき、実際にどのようにプリントされるのかを簡単な操作で調整し、確実に造形できる機能を提供するものです。造形材料もオートデスクや他社が提供する様々なものを利用できるようにします。
オートデスクは、Sparkのライセンスや、3Dプリンターの設計情報を
無料で公開
し、他社や研究機関が開発や研究を行えるようにします。
最近、3Dプリンターの低価格化が進んでいるのは、3Dプリンターの基本的な特許が続々と切れたことを受けて、「RepRap」という3Dプリンターのオープンソース規格が大きく影響しています。
オートデスクのSparkがうたい文句通りに使いやすいとなると、RepRapの強力なライバルになりそうですね。
また、オートデスクは南カリフォルニア大学が実物大の家を造ることを目標に開発を進めている巨大3Dプリンター「コンター・クラフティング(Contour Crafting)」の開発にも参加したようです。
これまでバーチャルな世界でBIM、CIMを展開してきたオートデスクは、最近、測量機器メーカーのトプコンと提携して測量機器を開発したり、3Dレーザースキャナーの点群データを処理するソフト「ReCap」を強化したりしています。
今回の3Dプリンターのプラットフォームやハードの開発で、さらに“情物一致”路線に拍車がかかったといえそうです。