管理人のイエイリです。
建物の設備管理は以前からの空調や照明の制御に加えて、最近はスマートグリッドへの対応や省エネ制御、さらにはセキュリティーシステムとの統合など、複雑化する一方です。
そして、建物の管理を担うベテラン技術者の不足や技能継承なども問題になりつつあります。
こうした課題に対応するため、日本マイクロソフトと竹中工務店は、クラウドを活用した次世代建物管理システム「ビルコミュニケーションシステム®」を構築し、2015年以降にビルオーナーに提供するため連携したことを発表しました。
その核となる考え方には、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Internet of Things(IoT)
という、最新のコンセプトが導入されているのです。
「IoT」とは直訳すると「モノのインターネット」というもので、あらゆるものをインターネットで接続し、管理や制御を可能にするという概念です。
竹中工務店が開発した
竹中工務店は建物内の空調や照明、セキュリティーや防災、各種センシングなどの設備システムをネットワークでつなぎ、情報をクラウドで統合するビルコミュニケーションシステム「ren.」を以前から開発し、実証を進めてきました。
ビルコミュニケーションシステムを導入した竹中工務店東京本店(左)と竹中技術研究所(右) |
一方、日本マイクロソフトはデータの統計処理や設備制御などが行えるクラウドシステム「Microsoft Azure(アジュール)」やM2M(機器間の通信)などの技術を持っています。
両社は次世代建物管理システムを「Microsoft Azure」上に構築し、ビルコミュニケーションシステムと連動させることで建物の設備管理を最適化します。
建物管理システムをMicrosoft Azureと連動させることで、設備内や気温や湿度のほか人の動き、運用スケジュールなどの膨大なデータを「ビッグデータ」として扱い、電力自由化などに対応した高度な管理が柔軟に行えます。
さらにスゴいことは、ベテラン技術者のビル管理の
ノウハウを機械学習
し、「制御モデル」を自動的に作り、建物管理に生かしていくことです。
つまり、クラウドを使ってP(計画)→D(実行)→C(評価)→A(是正)のPDCAサイクルを自動的に回しながら、さらに賢い管理を行えるようになるというわけです。
人の経験に頼ってきた設備管理を、クラウドが機械学習で学び、さらに進化させていくとは。ビル管理の世界もどんどん変わっていきそうですね。