管理人のイエイリです。
いよいよ、夏も本番を迎え、工事現場では熱中症対策が重要な課題になる季節になりました。
熱中症対策では、気温だけでなく湿度、日射、放射、風速なども考慮した「暑さ指数(WBGT)」が使われます。
しかし、高機能なWBGT計は高価で大型であるため、ほとんどの現場では低価格なハンディータイプのWBGT計で1日、数回程度、限られた場所で測定しているのが現状です。
そこで、大林組は現場の様々な場所でWBGTをリアルタイムに測定し、危険個所を監視できる「暑さ指数ウォッチャー」を開発しました。
各地点に既存のWBGT計を設置する場合に比べて、
ナ、ナ、ナ、ナント、
設置コストは半分
で済むのです。
WBGTの計測ポイントとなるのは防水仕様の無線ルーターです。このルーターに温湿度センサーなどを備えて、暑さ指数を計測します。
この無線ルーターを現場のあちこちに設置すれば、無線ルーター同士が自動的にデータの中継を行って現場内にLANが自動的に構築され、計測データが親機に集められます。
そして計測値をグラフで表示したり、熱中症対策をするべき順序を一覧表に表示したりすることで、現場内の熱中症危険個所をリアルタイムに見える化できます。
さらにパトライト(三色回転灯)や自動電子メール送信による危険度通知などの機能もあります
熱中症の警戒レベルとなる「WBGT基準値」は、JIS Z8504に基づき、作業強度や着衣量、暑さへの慣れなどを考慮して設定できます。
WBGTの計測でよく問題となるのが、放射熱の測定をどうするかです。通常は直径15cmの黒い球体を取り付けた「グローブ温度計」で計測しますが、現場への設置が難しく、壊れやすいという問題もありました。
そこで、暑さ指数ウォッチャーでは、
黒球温度センサー
を無線ルーターに内蔵することで、演算回路や記憶装置を省略し、計測部のコンパクト化と低コスト化を実現しました。
将来的には、現在、同社がNTTコミュニケーションズと共同で実証実験を行っている「IoTを活用した作業員向け安全管理システム」と、暑さ指数ウォッチャーを連携させてより高度なデータ解析を行い、安全管理に生かすことを目指しています。
現場の様々なことが、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)で連携して管理される時代になりそうですね。