「得するZEB」を追求!大成建設がZEB化ツールにコスト検討機能
2016年1月15日

管理人のイエイリです。

年間トータルで再生可能エネルギーだけで稼働する「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」は、フツーのビルよりも「イニシャルコスト」は高くなります。

一方、完成後は光熱費がほとんどかからないので「ライフサイクルコスト」は大幅に安くなります。

ZEBの普及は、建設コストがライフサイクルコストよりも安いことを、施主に明確に示して「金額的にもお得ですよ」と提案できるかにかかっている、と言っても過言ではありません。

こうした営業を可能にするため、大成建設は、同社のZEB化計画・評価ツール「T-ZEBシミュレーター」にコストスタディー機能を追加しました。

計画中のZEBをこのシミュレーターで解析することにより、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

ZEB化で得するかどうか

 

つまり、ZEBにしたときのイニシャルコストの増加分が、ランニングコストの減少分で補えるかどうかを数字で示すことができるのです。

 

コストスタディー機能が追加された「T-ZEBシミュレーター」(以下の資料・写真:大成建設)

コストスタディー機能が追加された「T-ZEBシミュレーター」(以下の資料・写真:大成建設)

 

大成建設は2014年5月、横浜市戸塚区の同社技術センターにZEB実証棟(地上3階、地下1階、延べ床面積1277.32m2)を完成させ、様々な実証データを収集してきました。

ZEB化実証棟の外観

ZEB化実証棟の外観

T-ZEBシミュレーターは、このデータを解析にフィードバックして「創エネ」と「省エネ」の設備を、立地条件やZEBレベルに応じて検討し、ZEB化のための計画・評価や年間エネルギー収支を短時間で行えるようにしたものです。

今回、コストスタディー機能が追加されたことにより、

 

経産省によるZEBの新定義

 

を踏まえたイニシャルコストとランニングコストの費用対効果も試算できるようになりました。

このほか、寒冷地や温暖地域などの立地の違いを考慮した「創エネ」「省エネ」設備の導入についての費用対効果も試算できます。

経済産業省資源エネルギー庁のZEBの新定義に基づき、「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」の3段階を判定できる

経済産業省資源エネルギー庁のZEBの新定義に基づき、「ZEB」「Nearly ZEB」「ZEB Ready」の3段階を判定できる

イニシャルコストについては現在は新築のオフィスビルと学校だけですが、今後、対応する建物の用途を拡大していく予定です。

ZEBの設計には高度な環境シミュレーション技術が必要です。さらに「コスト」という要素が入ってきたことで、「得するZEB」をはっきりと施主に対して提示できるようになったことは、大きな進歩と言えるでしょう。

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