管理人のイエイリです。
建物の設計にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)など3次元技術が使われることが多くなりました。
それに伴い、地震時に起こる地盤の液状化解析も、従来の2次元的な手法では、精度に限界が出るなど課題が出てきました。
そこで、大成建設は液状化解析の新しい手法を開発しました。
地震時の液状化による地盤の変形を
ナ、ナ、ナ、ナント、
3次元でスピーディーに
解析できるようにしたのです。
この手法は、地盤の液状化による変形を、静的解析で求めるものです。
液状化による地盤の流動変形を求める2次元静的解析プログラム「ALID」(開発:東京電機大学の安田進教授)を、汎用3次元解析プログラム「FLAC3D」に組み込み、液状化する地盤の変形を簡易に予測できるように機能拡張しました。
そのメリットは、実際の地層構成や建物の形・配置を3次元でモデル化できるため、建物の不同沈下や建物同士の相互干渉による変位を精度よく予測できることにあります。
また、3次元動的解析よりも地盤条件を簡単に設定できるので、計画や基本設計の段階から使うことができます。
そして、実務上の大きなメリットとして、検討期間を大幅に短縮できることが挙げられます。上図のモデル程度の大きさで、対策や仕様を変えて20ケース程度を検討する場合、従来の3次元動的解析手法では約2カ月かかってしましたが、この手法を使うと
2週間程度で実施
できるのです。
この解析手法で、東日本大震災時に被災した戸建て住宅を解析したところ、住宅の傾斜角や沈下量など、実際の被災状況が再現されていたそうです。
大成建設では、臨海部のプラント工場での液状化対策などにこの手法を適用するとともに、今後、大規模や地盤変状や地下水の影響も考慮して予測精度をさらに向上させていく予定です。