管理人のイエイリです。
建設工事に欠かせないコンクリート打設作業で、悩みのタネは、型枠内のどこまで生コンが回っているのかを知ることです。
型枠材や鉄筋などが複雑に入り組んだ型枠内を見通すのは難しいですからね。
こうした悩みを解消しようと、大和ハウスグループのフジタは、トンネルの内壁コンクリートの打設状況がリアルタイムでわかる「覆工コンクリート施工管理システム」を開発しました。
アーチセントルと呼ばれる移動式型枠の脇に設置された大型モニターには、生コンクリートの充てん範囲と圧力が、
ナ、ナ、ナ、ナント、
リアルタイムで3D表示
されるようになっているのです。
このシステムは、型枠のあちこちに設置したセンサーで収集したデータを、「覆工ウォッチャー」、「圧力ウォッチャー」という2つの機能で見える化します。
「覆工ウォッチャー」はコンクリートの打ち込み状況を追跡する機能です。コンクリートの打設がどこまで終わったか、どこが途中段階かといったことが精密にわかります。
このため、生コンを型枠内に打ち込む速度や、打ち重ね時間などを管理して、コールドジョイントとよばれる不連続な面ができるのを防ぐのに役立ちます。
一方、「圧力ウォッチャー」は型枠に作用する生コンの圧力分布をリアルタイムに色分け表示します。
圧力が高いところは「密に充てん」、圧力の低いところは「空げき」と判断できるので、生コンの締め固め状況がよくわかります。
トンネルの覆工コンクリートは、特に天井部分が充てん不足や締め固め不足になりがちなので、このシステムでリアルタイムに3D表示してくれると、高品質な施工につながりますね。
ちなみに、「覆工ウォッチャー」と「圧力ウォッチャー」いう名称は、一見、地味な感じもしますが、
ナ、ナ、ナ、ナント、
商標登録済み
になっているのです。
覆工コンクリート施工管理システムは、国土交通省東北地方整備局発注の復興支援道路である国道115号円渊トンネル工事(福島県相馬市、延長:963m)で開発されました。
生コン打設中の型枠内まで3Dで見える化できる時代になったとは、ビックリですね。