管理人のイエイリです。
社会インフラの多くを占めるコンクリート構造物の点検で、重要なのは0.2mm以上の幅のクラックを見つけ、管理することです。
しかし、暗い場所では小さなひび割れを発見するのは簡単なことではありません。
そこでITソリューションプロバイダーのNSW(日本システムソフトウエア)は、東京理科大学の小島研究室(理工学部土木工学科)、大和田研究室(理工学部経営工学科)と共同でひび割れ点検支援システム「Crack Mapping System」を開発し、4月24日に発売しました。
このシステムをインストールしたタブレットをコンクリートの表面にかざすと、トンネル内や橋梁の下など暗い場所でも
ナ、ナ、ナ、ナント、
ひび割れがリアルタイム
でくっきりと表示され、迅速に検査が行えるのです。
動画や静止画で画像を保存して持ち帰ることもできるので、オフィスに帰った後、ひび割れを分析・図化することもできます。
また、可視光線のほか紫外線や近赤外線の静止画や動画などから、ひび割れなどを分析することもできます。
では、どのようにしてひび割れを見やすくしているかというと、タブレットのカメラで撮影した動画や静止画を8方向から「エンボス処理」(濃度差による浮き出し処理)を施し、元の画像と合成しているのです。
つまり、目の錯覚である「錯視」を意図的に起こすことで、ひび割れを強調表示しているわけですね。
用途としては、コンクリート構造物などのひび割れ検査のほか、製造業での品質管理、ヘルスケア分野など幅広く活用できるそうです。
さらには
ドローンやポールカメラ
への組み込みなど、専用機器への実装やカスタマイズもできます。
そして、今後はディープラーニングを組み合わせて、より高度なひび割れ検出機能の実装にも取り組んでいくとのことです。
システムの価格は1セット15万円(5ライセンス分)と、リーズナブルですので、コンクリート構造物の検査をよく行う方は、試してみてはいかがでしょうか。