ドローン、PC込みでも80万円程度!テラドローンが低価格な測量ソフトを発売
2017年8月23日

管理人のイエイリです。

国土交通省が推進するi-Constrution施策などで、ドローンによる3D測量はかなり普及したとは言え、ハード・ソフトの価格面から導入をためらっている企業も多いのではないでしょうか。

その理由の一つは、ドローン測量を始めるのに必要な初期コストが、高価なことです。

例えば、ドローンで空撮した連続写真から3Dモデルを作るソフトだけでも「PhotoScan」は約45万円、「Pix4D」は約120万円します。さらに3Dモデルから断面図を作ったり土量計算を行ったりする解析用ソフトが百数十万円近く、これらの処理に必要な高機能のワークステーションが50万円くらいはします。

これらにドローン本体を入れると300万円以上かかることになります。

そこで、ドローン事業を展開するベンチャー企業、テラドローンは思い切ったドローン測量用のソフト「Terra Mapper」を開発し、発売しました。

空撮のルート設定から3Dモデル化、さらには土量計算など、これまで3本くらいに分かれていたソフトの機能を1本に集約したもので、その価格はデスクトップ版で

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

45万円

 

なのです。また、ウェブブラウザーで使用できるクラウド版もあり、処理回数などに応じて月間5万円または10万円となっています。

空撮から解析までを一貫して処理するTerra Mapperの機能(以下の資料:特記以外はテラドローン)

空撮から解析までを一貫して処理するTerra Mapperの機能(以下の資料:特記以外はテラドローン)

記者会見を行うテラドローン代表取締役の徳重徹氏(左)と技術開発部の塩川巧氏(右)(写真:家入龍太)

記者会見を行うテラドローン代表取締役の徳重徹氏(左)と技術開発部の塩川巧氏(右)(写真:家入龍太)

デスクトップ版には、ドローンで空撮するときに地上の目印として使う対空標識を自動認識する機能や、建機や草木などの不要な点群を取り除く機能、縦横断図を作成する機能、盛り土・切り土の土量計算機能などが含まれています。

空撮した連続写真を読み込み、点群を作成する機能

空撮した連続写真を読み込み、点群を作成する機能

真上から見下ろしたオルソ画像の作成や土量計算などの解析を行う機能

真上から見下ろしたオルソ画像の作成や土量計算などの解析を行う機能

2点間の距離や傾斜の計測機能

2点間の距離や傾斜の計測機能

ある期間で行われた切り土、盛り土の計算機能

ある期間で行われた切り土、盛り土の計算機能

また、クラウド版はドローンで撮影した空撮写真データをクラウド上に自動アップロードし、3Dモデル化や土量計算などを行うほか、プロジェクト関係者間で情報共有や現場の進ちょく管理などが行えます。

これだけの機能が付いたソフトをサクサク動かすためには、高機能のワークステーションが必要と思いがちですが、インテルi-7、i-5程度が載った10万~15万円程度のノートパソコンでも動作するようになっています。

例えば、300枚の空撮写真を3Dモデル化する場合、普通のノートパソコンでも10時間程度で処理できます。

そのため、ドローン測量を一から始める場合に、ソフトやノートパソコン、ドローンとして20万円ちょっとのDJIのPhantom4を買った場合でも、

 

総額80万程度

 

しかかからないのです。

このソフトの登場により、ドローン測量の敷居がぐっと低くなったと言えそうです。

同社は日本語版のほか、英語版や中国語版、韓国語版、スペイン語版などの発売も計画しており、PhotoScanやPix4Dなどの先行ソフトと、世界市場でも戦っていく方針です。

他のドローン測量用ソフトとの機能比較。Terra Mapperは左端

他のドローン測量用ソフトとの機能比較。Terra Mapperは左端

このソフトは、テラドローンが発足した当時から約2年間にわたって開発を進め、今回、満を持して発売されることになったものです。

「半年もあれば、海外でもかなり売れるだろう」と徳重氏は語ります。日本の国産ソフトとして、TerraMapperが世界に浸透していくことを期待したいですね。

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