管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)のソフトベンダー、オートデスクは2018年4月20日に発売する新バージョンソフトの記者発表を同日、行いました。
オートデスクは2018年2月から、すでに「2019年度」に入っているため、製品名にも「2019」が付いています。少しでも最先端を行きたいという同社の意気込みが感じられますね。
この日、発表されたのはBIMソフトの「Revit 2019」や3Dデータを統合・干渉チェックなどが行える「Navisworks 2019」、土木設計用3次元CADソフト「Civil 3D 2019」、土木インフラ用CIMソフト「InfraWorks 2019」などです。(以下、「2019」は省略します)
まず、Revitですが3Dビュー上で高さ表示が可能になったり、曲面を斜めに切った場合にも寸法表示ができるようになったりと、ユーザーの要望やアイデアを反映した機能向上が図られました。
また、最近BIMが施工段階で使われることが多くなったことを反映して、日本仕様の構造接合部を
ナ、ナ、ナ、ナント、
詳細な鉄骨BIMモデル
として作成できるようになったのです。
この機能は、ファースト クルー(本社:東京都台東区)が開発した鉄骨専用CAD「FAST Hybrid」とRevitの間で相互データ交換を行うことで実現しました。
Revitで作成した構造モデルから部材の位置情報などをFAST Hybridに渡し、継ぎ手や仕口設計ルールによって設計を詳細化します。そのデータを再びRevitに読み込ませることで、仕口付きの詳細なBIMモデルが出来上がるというわけです。
BIMモデルの作成も、こうした外部ソフトとの連携によって少しずつ、自動化されていくのを感じます。
一方、Civil 3Dの正式名称はこれまで「AutoCAD Civil 3D」と言っていましたが、2019版から「Civil 3D」になりました。新バージョンでは、図面の変更箇所を確認する機能や、クラウド上での共有ビュー機能などが追加されました。
道路や街並みなど大規模なCIMモデルを作成する「InfraWorks」には、等高線の数値である「等高線アノテーション」を3Dビュー上で表示できるようになりました。
このほか注目したいのは、CIMモデルについても自動作成機能が強化されたことです。「InfraWorks」には、これまでの橋梁や道路に加えて、トンネルについても断面を選んだり基本的な寸法を設定したりすることで
パラメトリックモデル
をその場で作成できるようになりました。
そして、InfraWorksで作った道路や橋梁、トンネルのCIMモデルは、RevitやCivil 3Dとも動的に連携するようになったのです。InfraWorksのモデルを修正すると、RevitやCivil
3Dのモデルや図面も自動的に変更されるというわけです。
InfraWorksのモデルはこれまで、概略イメージという感じでしたが、道路構造令やトンネルの仕方書などの高い断面で作成すれば、よりリアリティーの高いCIMモデルがかなり自動的に作れるようになりそうです。
その準備も着々と進んでいるとのことですので、今後の展開が楽しみですね。