下水道管の耐震計算リリース
2013年12月10日

 プログラム概要
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(社)日本下水道協会「下水道施設の耐震対策指針と解説-2006年版-」(以下、耐震対策指針)では、下水道施設の耐震設計について規定されています。そのうち、円形管きょである差し込み継手管きょおよび一体構造管きょの耐震計算を行うプログラムとして、弊社では4製品をラインナップしておりました。

耐震対策指針では、管きょの構造や材質、重要度等により、照査すべき項目が規定されています。これは、同書に記載の耐震計算マトリックス表で確認する事ができます。弊社では、このマトリックス表に基づき、1.鉛直断面(耐荷力)の計算 2.鉛直方向断面(応力度)の計算 3.管軸方向の計算 4.管きょの継手部の計算 に分類し、それぞれ個別の製品としてリリースしており、以下の4製品となっています。

  1. 下水道管鉛直断面の計算(RC管、陶管)
  2. 下水道管鉛直断面の計算(強プラ管、ダクタイル鋳鉄管)
  3. 下水道管軸方向の計算
  4. 下水道管継手の計算

「下水道管の耐震計算」は、これら4製品を1つの製品に統合したプログラムとなります。

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  プログラムの機能と特長
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同じ管種について鉛直断面と継手の計算を行う場合など、複数製品にわたって検討する際には、管データや地盤データを各々の製品に入力しなければなりません。下水道管シリーズの各製品では、地盤データや基準値データを共有する事ができますので、その手間はある程度軽減されますが、新製品ではデータを共有する手間を省く事ができます。また、各製品の検討項目はそれぞれ異なりますが、その計算過程では部分的に同じ計算を行っているところもあり、計算書をそのままマージすると同じ計算過程が複数出力され、計算書の編集が必要となりますが、新製品ではそのような手間も省く事ができます。

新製品の計算機能は、基本的に既存の4製品を踏襲したものとなりますが、土かぶり高を範囲指定して、複数の土かぶりの条件について一括で計算する機能や液状化の判定機能を追加する予定です。土かぶり高の範囲指定時には土かぶり高毎の結果を比較表形式で出力する事ができます。液状化の判定方法は耐震対策指針に記載されている、H14道路橋示方書Ⅴ耐震設計編に準じたものとなり、レベル1、レベル2地震時に対しての判定が可能となります。
 

●RC管、陶管

  • 管の鉛直断面についてFrame計算で断面力を算出し、鉄筋コンクリート管、陶管の安全性を判定します。
  • 解析Frameモデルの節点分割数を「24」「36」「48」から選択できます。
  • 常時における支点条件として、「左(ピン)、右(水平ローラー)」、「左右(水平ローラー)、管底(鉛直ローラー)」のいずれかを指定可能です。
  • 地震時水平力における支持条件として、「法線・接線方向モデル」、「X・Y方向モデル」のいずれかを指定可能です。
  • 鉛直土圧、鉛直水圧、水平土圧、水平水圧、および底面地盤反力を考慮します。
  • 鉛直土圧の算出方法として、「直土圧」、「テルツァギーのゆるみ土圧」のいずれかを指定可能です。

●強化プラスチック複合管、ダクタイル鋳鉄管

  • 管の鉛直断面について、、『大規模地下構造物の耐震設計法・ガイドライン(案)』の近似計算法により断面力を求め、強化プラスチック複合管、ダクタイル鋳鉄管の安全性を判定します。
  • 近似計算法の断面分割角度として、「1度」、「2度」、「5度」、「10度」、「15度」の中から指定可能です。
  • 鉛直土圧の算出方法として、「直土圧」、「テルツァギーのゆるみ土圧」のいずれかを指定可能です。
  • 計算精度の補正係数βを任意に設定可能です。

●継手の計算

  • 鉄筋コンクリート管、陶管、硬質塩化ビニル管、強化プラスチック複合管、ダクタイル鋳鉄管、鋼管について、マンホールと管きょの接続部、管きょと管きょの継手部の照査を行います。
  • 硬質塩化ビニル管、ダクタイル鋳鉄管については、差し込み継手管きょ、一体構造管きょのいずれかを選択可能です。
  • 地震動による屈曲角/抜出し量、地盤の液状化に伴う地盤沈下による屈曲角/抜出し量、地盤の液状化に伴う永久ひずみによる抜出し量、傾斜地の永久ひずみによる抜出し量、地盤の硬軟急変化部を通過する場合の抜出し量、浅層不整形地盤でのひずみによる抜出し量の照査が可能で、照査項目を選択する事ができます。

●軸方向の計算

  • 硬質塩化ビニル管、ダクタイル鋳鉄管、鋼管について、管軸方向の照査を行います。
  • 硬質塩化ビニル管については、「差し込み継手管きょ」、「一体構造管きょ」のいずれかを指定可能です。
  • 地盤の剛性係数 Kg の算出方法として、「表層地盤」、「管きょ位置」のいずれかを指定可能です。

●液状化の判定

  • 成14年3月道路橋示方書Ⅴ(耐震設計偏)に基づいた、レベル1、レベル2地震時に対する液状化の判定が可能です。
  • 土質定数の低減係数DEを算出する事ができます。

詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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