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2014年7月21日

レブロ活用事例●株式会社竹中工務店NEW


着工早期の合意形成取得から竣工後の施設保全までRebro(レブロ)を活用 竹中工務店 建築主視点のBIM への挑戦 

竹中工務店は兵庫県尼崎市内の工場建設工事で、NYK システムズの設備用BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトウェア「レブロ」を活用。 建築主のユースポイントの早期の合意形成取得、施工図の見える化による手戻り防止、長期的な保全業務のための3D 取扱説明書の作成を通じて、生産性と顧客満足度向上へ貢献するBIM 活用術を模索した。

設計段階のBIM モデルを生産側でリサイクル活用

  「構造BIMデータを、IFC形式にして送っていただけませんか。現場で使ってみようと思っています」。

―――2013 年の春、当時入社3 年目を迎え、阪神地区FM センターに籍を置きながら初めて新築工事を担当することになった菊重有輝氏は、構造設計担当者へメールを送った。

配属された住友精密工業第10 工場は、大型の熱交換器を製造する約5000㎡の工場であった。菊重氏は、NYK システムズの設備用BIMソフトウェア「レブロ」を活用し、施工段階での生産性向上ができないかと考えていた。「BIM 活用の動きが活発化しているとはいえ、当時、特に生産部門では情報基盤整備も進んでおらず、活用事例にも乏しかった。所属していた阪神地区FM センターでは、所長と上司の理解を得て、すでにレブロを導入していた。社内勉強会に参画し、レブロが、意匠や構造、他設備用CAD ソフトウェアのBIMモデルを読み込めることは知っていた。初めて新築を担当する若手がBIMでどこまでできるか、試してみたかった」と菊重氏は語る。

 

「ユースポイント検討モデル」で迅速な合意形成建築主と協同で作り上げた工場の作業空間

  着工は2013 年6 月だったが、3 月末頃より建築主と設計者との定例および設備分科会に同席を始めた。

効率的に製品を製造するために、工場は南北方向へ等間隔に作業ブースが並び、複数台の天井クレーンとジブクレーンを用いて、加工途中の製品を移動させる仕様であった。

毎回その分科会で議論の主題となっていたのは、作業ブース周りのユーティリティ設備であった。各ブースで使用する生産機器に送られる配管・配線ができる限り作業空間に露出しないように、トレンチを用いて配管・配線することとなったがさまざまな条件が課せられた。

電源ケーブルは使用機器によりサイズが異なり、最大で外径が直径54mmにもなるものもあった。配管は冷却水、圧縮空気、アルゴン、低圧窒素の4 種類が並び、配管の修繕頻度よりも、ケーブルの入れ替え頻度が高いことから、トレンチ内部にラック式の架台を設けて、配管の上部にケーブルが配線できる仕様が求められた。一方で、フォークリフトが進入する建屋内の耐荷重を確保するため、トレンチはなるべくコンパクトに納める必要があったのだ。

これらの検討は当時、トレンチの平面図と断面図を用いて行われていた(図1) が、紙面上では上記の要望どおりになっているのかイメージしづらく、議論が難しい場面があったという。

一方で、設計部にて、レブロを用いて作業ブース周りのユーティリティ設備類の納まりを部分検討していたことがわかった。また、構造設計者が構造計算・解析する段階で生成される構造BIMモデルがあることもわかった。菊重氏は、まずはこれらのデータを集めて、イメージ共有のためのモデルを作るところから始めたのだ。

設備部分検討モデルは、2 つのブースとその間のトレンチ、ジブクレーン、各種ユーティリティ設備に関してモデリングされていた(図2)。ただし、初期検討であり、最新の建築主の要望に合わせる必要があった。

最新の分科会で要望を得たトレンチ内部の配管・配線用ラックについての部分モデルは、当時の設計協力会社にモデリングしてもらった(図3)。

構造設計より受領したBIM モデル(図4)には、梁、柱、ブレスに関する情報が入っており、着工前後で納まりを検討するには十分な情報量であったという。

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