伊藤裕二社長に聞く「3DVRを中核に社会貢献/国土強靭化SL提供」
2015年1月5日

 

新春トップインタビュー
伊藤裕二フォーラムエイト社長に聞く
「3DVRを中核に社会貢献/国土強靭化にもソリューション提供」

出典: 電波タイムズ 2015年1月1日号

フォーラムエイト(東京都港区)は、創業以来ソフトウェアパッケージ開発技術を基盤として、構造物設計をはじめ土木・建築設計を支援するソフトウェア・技術サービスを提供してきた。近年ではバーチャルリアリティの開発で、さらに広くプロジェクト全体や交通・自動車研究などの分野でも活用されている。地震、津波、洪水などの災害や橋梁、トンネル事故など安全安心に関わる技術は、社会的なニーズがますます高まっている。

同社は、ソフトウェア開発とそのサービス技術で、多くのエンジニアを支援するとともに、社会に安全安心をもたらす技術開発をソフトウェアを通じて行うことを使命と考え行動している。新春にあたって、伊藤裕二代表取締役社長に昨年を振り返ってもらい、今年の抱負を聞いた。
(電波タイムズ 田畑広実)

 

――昨年(2014年)を振り返って業績はいかがでしたか
「9月第28期の決算(平成25年10月1日から26年9月30日まで)での売上高は、過去最高を更新する前期比53・4%増の37億1161万円でした。経常利益は同43・6%増の5億7547万円、当期純利益(税引き後)は4億1327万円と、売上高に加え、経常利益と純利益が過去最高を記録しました。昨年は、パッケージソフトや技術サービスも伸長し、バーチャルリアリティ(VR)関係の売り上げも大きく伸びました。特に大型シミュレータの受注が旺盛で、システム開発については3倍以上の売り上げでした。このほか、消費税増税前の駆け込み需要も奏功しました」

――注目を集めた製品・ソリューションをお聞かせください
「ひとつは『IM&VR BIM/CIMによる建築土木設計ソリューション』です。フォーラムエイトでは、測量から設計、施工、維持管理まで、建築土木構造物のライフサイクルに必要なあらゆる情報を連続的に活用可能な、BIM(Building Information Modeling)、CIM(Construction Information Modeling)とVRによる統合ソリューションを提供しています。様々な業種で威力を発揮する3次元リアルタイムバーチャルリアリティ『UC-win/Road』は、地形・海底地形など世界をカバーした大規模な3次元空間、VRを短時間に作成できます。国土交通省は昨年3月、BIMガイドラインを策定しました。当社は同省が推進するCIM、BIMにいち早く対応しました。私どものソリューションの特徴は、VRをベースにしたインフォメーションモデリングを行うところです。VRで様々なシミュレーションを行い、その結果を図面に落とし込みます。さらに『国土強靭化設計支援ソリューション』も注目されています。アベノミクスで推進されているのも後押しとなっています。国土強靭化政策大綱に基づく土木設計・IT関連の業務をサポートします。解析、設計分野の3次元のソフトウェア群を用いて、3Dデジタルシティ・GIS、震災対策ソリューションなどを提供しています。近年、設計会社で高精度解析が行える3次元ソフトウェアの導入が進んできました。今後も普及が加速していくものと期待しています」

 ――昨年2月には、中国で大型のドライビングシミュレータが完成したそうですが
「フォーラムエイトは、8自由度大型モーション搭載のドライビングシミュレータ『8DOF交通安全シミュレータ』のシステム統合を完了しました。ドライビングシミュレータは、中国交通部が交通安全研究のために計画したシステムで、交通運輸部公路科学研究院が仕様を作成・構築した大型シミュレータです。
2009年に国際入札で当社が単独受注し、14年2月に最終の受け渡し検収により完成し運用を始めました。6自由度モーションプラットフォームとYawテーブル、Xテーブルで構成される8自由度車両運動モデル実車運転模擬装置となっており、『UC-win/Road』のクラスタ構成による360度投影装置、音響システム、振動装置などで、実運転に限りなく近い環境を提供します。交通流シミュレータ、車両運動モデル、視線追跡などの計測装置も、最高水準のシステムと『UC-win/Road』が連携し、高度な安全運転研究に貢献します。具体的には、約9メートルのレールの上にモーションプラットフォームを載せて、中にはクルマ1台が入っており、そこで360度の空間を表現して実運転に近い動きをさせるものです。内部のYawテーブルによって実際の運転に近い空間再現ができるのです。近年、ドライビングシミュレータが自動運転、自動走行の研究に活用されるようになってきました。当社は、早くから各種ドライビングシミュレータを市場に提供しています」

 

 

続きは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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