環境シミュレーション「Esim Conference 2017」開催報告
2017年10月17日

去る10月6日(金)、13:00からKKRホテル東京 平安の間にて、弊社ユーザー会「Esim Conference 2017」を開催致しました。

遠くは沖縄・札幌から九州・大阪・仙台と、遠方からも多くの方にお集まり頂き大変な盛況でした。 WindPerfect開発20周年と言う事で開催した懇親会にもたくさんの方にご参加を賜り、多くのお言葉を頂きました。 心より感謝申し上げます。 以下、概要を簡単にお伝えします。

●WindPerfectV5の新インターフェイス

新インターフェイスに多くのご関心を頂きました。 新開発のTree Controlインターフェイスは、マニュアルレスで操作可能な非常に使いやすいインターフェイスです。 これも新開発の無限Undo/Redo機能と合わせて、大幅な操作性向上を果たしました。 初心者にもプロにも使って頂けるインターフェイスがようやく出来たと思っております。

●WindPerfectV5の主な新機能

・VR(仮想現実)機能

HTC ViveによるVRシステムを開発し、お目に掛けました。 VRの臨場感・没入感は通常のCFDの可視化とは一線を画するものがあります。 用意したVRの展示は予約が全て埋まり、余分に数名の方を受け入れても希望者を捌けない状況だったので、懇親会でも特別コーナーを設置してたくさんの方に見て頂きました。 デモした内容に関する評判は上々であったと思います。

・レポート自動作成機能

所定のデータを読み込んでから入力項目を設定してスタートすると、Wordが勝手に立ち上がってドキュメントがどんどん出来上がっていきます。 デモでは見ておられる方々がどよめくのが分かりました。 VBでプログラミングしなくてもWordファイルが作成出来、画像とキャプションが多数あるドキュメントが作成されます。解析者の省力化に大きくつながる機能です。

・日射解析機能

待ちに待った機能をお届けする事が出来ます。 日射の評価はこれまで日射熱量を適宜空間内に貼り付けて設定していましたが、これを窓パーツを使う事により自動化しました。 ガラス毎の反射率・吸収率・透過率を反映出来ます。 また、ブラインドやロールスクリーンなどの考慮も可能です。

・キーフレームアニメーション

これは実は無限Undo/Redo機能の副産物ですが、WindPerfectフォルダーの中のヒストリーファイルを順次参照する事により、弊社プリ・ポストプロセッサGenesysの自動運転が可能になりました。 この機能をコマ撮り機能と併用する事により、キーフレームをベースにしたアニメーション作成が可能となりました。 今までもよりも数段自由なアニメーション作成が出来ます。

・SuperCartesian機能

SuperCartesianは構造格子の体系の中で斜め形状や曲線形状を扱う手法で元々e-flowの機能でしたが、これをWindPerfectでも提供します。 BIMでモデリングする事の多い昨今の建築熱流体解析では大いにその威力を発揮すると考えています。

事例では仮設野外劇場の風圧解析をお見せしましたが、モデル形状を正確にする事によるメリットは、計り知れないものがあると考えます。

●クラウド型CAEサービス PLEXUS CAEのご紹介 電通国際情報サービス殿

WindPerfectが稼働するクラウドサービスPLEXUS CAEの概要と最新情報を分かりやすくお伝えしました。 図面などセキュリティの壁があった建築ユーザーにとっても、クラウド解析への関心は徐々に高まっているようです。

●最新解析トピックス

WindPerfectがカバーする多くの解析の中からハイライトをご紹介しました。

・宇土小通風シミュレーション by CAt

・空調を伴う自然換気解析

・風による飛砂のシミュレーション

・火災シミュレーション(3次元煙流動解析)

・結露解析(食品工場内結露)

・室内輻射冷房解析(PMV)

・平均風による風荷重解析

・配水池流れ解析( SVE( 換気効率 ) )

・風環境解析(防風林の効果)

・煙突排熱拡散気流解析

・降雨(雨じまい)解析

・冷却塔熱気流拡散解析

これらトピックスについては、またあらためて弊社ホームページ上で詳しくご紹介する予定です。

●「中国の建築環境研究の最近の動向とトピックス」

同済大学都市計画学科 准教授 謝 俊民 先生

風と都市、風と建築、風と樹木(ランドスケープ)、風と人(快適性)などをテーマに、中国で関心を持たれているCFDでの建築評価方法をお話頂きました。日本ではあまり見かけない「風の道」の評価は、これから日本で普及してもおかしくないのではと思います。

またデザイン分野でのWindPerfectの中国独自の機能改善についてお話し頂き、適地適樹な植栽設計と言う事で検討された、「陶朱隠園」と言うDNAの二重螺旋に似たユニークな環境共生型マンションについてご紹介頂きました。

●「流体シミュレーション(CFD)による建物内外の換気性状の可視化」

東京大学生産技術研究所 教授 加藤 信介 先生

循環流を伴う気流シミュレーションや濃度拡散源の制御など、換気効率の話題に留まらないCFD(計算流体力学)の本質論に迫るご講演を頂きました。輸送現象に対しての寄与は移流が80%・乱流拡散が20%。

だから室内気流の問題は数値シミュレーションと実測が良く合うのに、風などの外部気流の問題はなかなか合わないなど、眼からウロコが落ちるお話ばかりでした。非常に面白くためになるご講演であったと思います。 機会があれば、ご講演の続きを是非また聞いてみたいところです。

●今後の開発ロードマップ

今度の、風荷重・耐風設計解析関連の機能整備、非定常解析機能の強化、VR機能の強化、報告書自動作成機能の強化などについて触れさせて頂きました。また、新たなBIM連携機能の見直しなど来年に向けてのテーマを弊社なりにまとめさせて頂きました。

●懇親会(立食パーティ)

同所丹頂の間にて、多くの方にご参加を賜り、ご歓談いただきました。またパートナー様やユーザー様からも言葉を頂き、心より感謝致します。

WindPerfect最新版V5についてご興味のある方は、ご説明やデモなど随時お受け致しますのでご連絡を頂ければ幸いです。 本Esim Conference 2017の資料はご関心のある方はお送りしますので、ご連絡下さい。 また、本資料は弊社ホームページにも掲載する予定ですので、そちらもご参照下さい。

弊社VR機能は今回大変な人気でした。 本システムは可搬ですので御社側でもデモが可能です。 こちらもご興味のある方は、随時お申し付け下さい。

今後も皆様に有益な情報の発信を続けていく所存です。 今後もご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

なお、WindPerfectV5の提供開始は本年10月20日(金)を予定しております。 今後ともご愛顧をお願い致します。

詳しくは、環境シミュレーションのウェブサイトで。

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