FAROの3Dスキャン、BIMでの用途が拡大
2017年11月21日

FAROの3Dスキャニング技術により、BIMでの用途が拡大

FAROの3Dスキャニング技術により、BIMでの用途が拡大

3Dレーザースキャンとビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)の技術発展がますます進む中、建築、エンジニアリングと建設(AEC)業界は、CAD導入以来、科学的かつ技術的革命を目の当たりにしてきました。すばらしい活用方法の一つに、プロジェクトの段階に関わらず、3Dレーザースキャンを使用して、さまざまな複雑な構造環境を計測スキャン可能ということがあげられます。建設現場でBIMと統合することで、3Dレーザースキャン技術は検査の質とプロジェクトの承認レベルが大幅に向上します。

強力な3Dレーザースキャナーの利を得る

中国に拠点を置くSIPPR Engineering Group Co., Ltd. (SIPPR)は、3Dレーザースキャナーを業務に導入した大手建設会社です。最先端エンジニアリング技術を活用し、SIPPRは大型工場や工業団地計画、都市計画や環境エンジニアリングのような多岐にわたる分野で業務を行っています。企業運営拡大に伴い、SIPPRはプロジェクトに必要な困難なデータ収集に対処するため、FARO Laser Scanner Focus3D X 330、続いてハンディースキャナーのFARO Scanner Freestyle3Dを導入しました。

プロジェクトマネージャーのLiu Yan氏はこう説明しています。「当社では、3Dレーザースキャニング技術をBIMに統合し、工場図面の情報欠落や現場環境における複雑な状況への対応など、プロジェクト実施中の問題への対処を望んでいました。また、この技術はデータ収集や土量計算にも使用できるので、便利です。」

FAROレーザースキャナーのコストパフォーマンスの高さ以外に、スキャナーの使いやすさやデータ収集精度の高さが、Liu氏がFAROを選んだ主な理由でした。また、彼は、SIPPRの決断の主な要因として、徹底的なテクニカルトレーニングやプロジェクト重視の助言を含むFAROの販売前後のカスタマーサービスサポートの素晴らしさにも言及しています。

「FARO 3Dレーザースキャナーの高い精度により、既設構造物、建設現場や、工場、施設や機器の内部配管の非常に正確な点群データを取得できるようになりました。後処理のためのソフトウェアであるFARO SCENEと組み合わせると、プロセス全体の効率がはるかに向上しました」と、Liu氏は述べています。

Focus3D X 330を使い、鄭州空港T2ターミナルでの交通状況をスキャン中。

Focus3D X 330を使い、鄭州空港T2ターミナルでの交通状況をスキャン中。

建設現場でFocus3D X 330を操作。

建設現場でFocus3D X 330を操作。

さらに、FARO Focus3Dは非常に軽量で携帯性が高く、屋内でも、直射日光下の屋外でも使用でき、使いやすく、データ収集スピードも迅速です。

わずか2年間に、SIPPRは13もの産業・商業用プロジェクトの全段階において、幅広くFAROレーザースキャナーを使用しました。これらのプロジェクトには、土量計算、工場のリバースモデリング、完成したビルのテスト、外観エンジニアリングや建設資材の計算などがあります。FARO Focus3Dを使い、SIPPRはプロジェクトにおける経済的利益増大と市場拡大を実現でき、最初の1年で高い投資利益率を得ることができました。SIPPRのプロジェクトには、河南省人民ホール、南寧煙草工場や、鄭州新鄭国際空港のターミナル2工事の第2段階などが例として挙げられます。

デジタル3Dモデリングに3Dレーザースキャン技術を使用

China Tobacco Guangxi Industrial(広西中煙工業有限責任公司)の南寧煙草工場で最近行われたデジタル3Dモデリングプロジェクトの最中、SIPPRはオリジナル図面からデータが欠落していたり、デジタルモデルと実際の工場との間に不一致があるなど、いくつかの問題に遭遇しました。問題分析後、プロジェクトチームは、3Dレーザースキャナーで得た地下配管網データにリバースエンジニアリング技術を適用し、デジタルモデルを作成することを決定しました。詳細かつ総合的な点群データを取得するため、工場全体の数か所にFARO Focus3Dと校正球(球状ターゲット)を設置し、この配管網データの情報を取得しました。自社のソフトウェアプラットフォームとFARO SCENEを併用し、エンジニア達は複数のデータセットを統合し、工場全体の完全な点群モデルを作成しました。

FAROの3Dレーザースキャン技術を使い、SIPPRが享受した最大のメリットは、現場のエンジニア達のワークフローが最適化されたことでした。FAROレーザースキャナーを使用する前、SIPPRのエンジニア達は、手動測定や図面など従来の方法を使っていましたが、時間も労力もかかっていました。今では、技術を組み合わせ、チームは元の技術情報を簡単に取得できるようになったので、建造物の設計図の原本が無くても、もはや問題ではなくなりました。

FARO Focus3Dを使い、工場の点群データを取得。

FARO Focus3Dを使い、工場の点群データを取得。

点群データに基づいて作成された抽出モデル。

点群データに基づいて作成された抽出モデル。

この革新的な問題解決の手法により、中国エンジニアリングおよびコンサルティング協会主催の2016年イノベーションカップビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)コンペにて、SIPPRはその地方のベストBIMアプリケーション賞で2位を獲得しました。

SIPPRが作成したワークショップモデル。

SIPPRが作成したワークショップモデル。

FAROの技術を活用し、正確に土量を計算

現場地形スキャニングにFAROのFocus3Dを使用。

現場地形スキャニングにFAROのFocus3Dを使用。

SIPPRがハイテク情報企業団地プロジェクトを実施するうえで、FAROの3Dスキャナーの汎用性が試されることになりました。チームはFAROレーザースキャナーとBIM技術を組み合わせ、土量バランスを計算しました。FARO Focus3Dを使い、チームは堀削基礎坑に対して、最大計測距離330メートル、最高で秒速976,000点という高速スキャンを実行できました。点を個別に取得し、グリッド上に配置する従来のGPS測位計算と比べると、FARO Focus3Dははるかに効率が高く、正確でした。

Focus3D X 330の有効性は、プロジェクトの様々な段階でさらに実証されることになりました。チームは建設データと設計データをFocus3Dを使いシームレスに統合できただけでなく、3D技術を活用した体積計算において新たな用途を考案し、一般的なプロジェクト管理において他の詳細なBIM用途に向けて前進しました。

地形再現。

地形再現

土工事量の計算。

土工事量の計算

FAROとのさらなる進展と提携

BIMとその他関連技術に関する様々な調査を徹底的に行った結果、SIPPRは数多くのプロジェクトで彼らが得たことを適用することにより大きな成功を収め、その貴重な洞察により業界に恩恵をもたらしました。BIM技術分野への傑出した貢献により、SIPPRは中国エンジニアリングおよびコンサルティング協会により、5年連続「ベストBIMアプリケーション企業」に選出されています。

卓越したサービスを継続して受けたことにより、SIPPRプロジェクトチームは、確実な計測結果を得るために、FARO Focus3D を非常に信頼しています。

FARO技術の今後の応用に関して、Liu氏はこう話してくれました。「プロジェクトチームが彼らの業務をより簡単かつ効率よく完成できるよう、ありとあらゆる方法で、3Dレーザースキャンの全潜在能力を活用したいと当社は望んでおります。FAROとの提携を通じて、インテリジェントエンジニアリングや高速モデリングなどのような分野で、BIMを活用したより多くの用途に対して飛躍的進歩を成し遂げたいと思っています。」

SIPPR Engineering Group Co., Ltd.会社概要

1951年設立のSIPPR Engineering Group Co., Ltd.(SIPPR)は、エンジニアリングデザイン統合クラスAに認定された大手合同設計研究機関です。SIPPRは、Fortune 500企業で重要な中国国有企業であるChina National Machinery Industry Corporationの関連会社でもあります。

SIPPRは、エンジニアリングデザイン総合グレードA資格、エンジニアリングスーパービジョン総合資格、住宅建設および一般建築請負業用ファーストクラス資格、エンジニアリングコストコンサルティンググレードA資格、インテリジェントビルディングエンジニアリングデザインおよび建設用ファーストクラス資格など、数多くの資格認定を受けています。また、SIPPRは、中華人民共和国国家発展改革委員会よりエンジニアリングコンサルティングクラスA認定、中華人民共和国商務省より外国プロジェクト請負ビジネス資格認定、対外援助デザイン、対外援助スーパービジョン、品質技術監督局より圧力容器および圧力配管デザイン許可、都市計画や電気機械機器の取付など様々なその他の資格を取得しています。

詳しくは、FAROのウェブサイトで。

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