「”建てない住宅メーカー?”の新たなる”プラットフォームハウス構想”」公開

2019年1月22日

BIMで建築が夢をみる

#52 「建てない住宅メーカー?」の新たなる「プラットフォームハウス構想」

住宅メーカーの積水ハウスのコンピュータ運用を、30数年前から追いかけている者として、やっぱりな、ここまできたのかというニュースが飛び込んできました。積水ハウスの公表した居住者から得るデータを基にしたサービス、健康・つながり・学びを提供する「プラットフォームハウス構想」について報告します。

緊急課題の空き家対策の話の中で浮かび上がったこと

積水ハウスの住宅CADを初めて取材したのは30数年前です。ショールームで女性オペレータがタブレットを操作すると、画面上に3次元パースが浮かび上がり、間取り図も生成されました。最近では、日刊建設工業新聞で「積水ハウスの先駆的BIM」として紹介しています。

この取材が終わって雑談をしていた際のことです。少子高齢化で住宅を取り巻く市場が変化していることや空き家対策が急務とのことが話題となりました。筆者が「失礼ながら何百万棟も建てすぎたのかも」と発言すると、少しばかり笑いが起こりました。

筆者は「妄想」を更に話しました。住宅産業はクレーム産業だから、営業担当者はお客様の隅々まで知っているはず。それら何百万棟=人のお客様情報をビックデータ化して独自市場とする。そうすれば、保育・教育、予防介護、買い物弱者対策の宅配スーパーなどができるのかも。それって「住宅を建てない住宅メーカーですよね」と続けました。今回の新しい戦略は、筆者の妄想と遠からずとなったと少しばかりほくそ笑んでいます。

設計や施工段階で生成されたBIMによる建物データはもっと使えるはずだ

「プラットフォームハウス構想」は、IoT(Internet of Things)などで居住者の住環境やライフスタイルデータを日々、取得、活用して居住者に応じたサービスを提供します。まさに家を基点とした新しいサービスで、事業領域を居住者の生活サービスまで拡大するものです。

キーコンセプトは、“家が健康をつくり出す”という新たな価値を提供するもので、居住者にストレスなく異変を察知し、日常の生体データと照合。異常の可能性がある場合は窓口に自動通知するなど、急性疾患などに対応します。

設計や施工段階で生成されたBIMによる建物データが施設管理などに援用され始めています。継続取材を試みますが、想像するに、積水ハウスでも、設計施工のために運用された住宅CAD=BIMによる建物データと必ずやIoT(Internet of Things)などの技術が結びつき、更に新しいサービスが生まれるのではないか。そんな次なる妄想も浮かんできます。BIMによるデジタルデータの射程距離は、想像以上に遠くまで到達するかもしれません。

図(提供:積水ハウス)にあるように、経時変化に対するサービスとしては、住まい手の呼吸数や心拍数といった生体データを取得し、病の予兆を読み取る可能性を高めます。予防の面では、住まい手の呼吸数や⼼拍数といった⽣体データと住環境データを連動させて温度、湿度、照明などをコントロールし、快適で心地よい生活をサポートします。

「急性疾患対応」「経時変化」「予防」の3つのサービス提供に、⽣体データと住環境データを活⽤ (提供:積水ハウス)

詳しくは、GLOOBEのウェブサイトで。