管理人のイエイリです。
日本建設業連合会によると、2025年には建設技能労働者が、全国で約128万人も不足するとのことです。
また、大和ハウス工業が社内の工事監督90人にヒアリング調査を行ったところ、特に不足している作業員の職種は、鉄筋の運搬や耐火被覆の吹き付け工事だったそうです。
そこで同社と傘下のフジタは、鉄骨の柱や梁にロックウール・モルタルを吹き付ける作業のため
ナ、ナ、ナ、ナント、
耐火被覆吹き付けロボット
を開発してしまったのです。(大和ハウス工業のニュースリリースはこちら)
このロボットは、産業用ロボットアームに走行台車と昇降台車を組み合わせたものです。
これまでの作業では、ロックウール・モルタルを製造するプラント側に1人、鉄骨にモルタルを吹き付ける「吹き手」が1人、そしてコテ押さえや検査、清掃に1人と、合計3人の作業員が必要でした。
それが、このロボットを導入することにより、プラント側に1人とロボット側に1人の計2人で済むことになりました。
●「耐火被覆吹付ロボット」の概要 |
名 称 :「耐火被覆吹付ロボット」 本体寸法 :全長:2,600mm 全 幅 :1,600mm 全 高 :最大3,700mm、最小2,020mm 本体質量 :約1,100kg 使用条件 :国内の建設現場における屋内での使用を想定 電 源 :三相200V 搭載ロボットアーム:株式会社安川電機製 GP-7(6軸) 移動スピード :移動:最速20m/分 昇降:上昇最大4.5m/分、下降9m/分 移動精度 :移動:±5mm 昇降:±2mm |
また、ロボットの吹き付け作業のスピードは人間の2倍以上なので、人間が作業する場合は1日当たり150~160m2なのに対し、ロボットは200m2以上作業できます。
その結果、耐火被覆を吹き付ける作業全体の時間も20%削減できます。ロボットは休憩時間が必要ないので、人間が交代でお世話すれば、さらに多くの作業をしてくれるとのことです。
現在は作業用のデータを手入力しているようですが、今後は
BIMモデルと連動
させることにより、データ入力を減らし、さらに作業時間の短縮を目指すとのことです。(※BIM:ビルディング・インフォメーション・モデリング)
大和ハウス工業とフジタは2021年4月に現場の完全週休2日制(4週8休)の導入を目指しており、2018年4月以降に着工する工事から4週5休を実施するそうです。
こうした作業用のロボットがいろいろと開発され、人間の代わりに働いてくれるようになると、完全週休2日も夢ではなくなりそうですね。