3Dプリンターが建機に!ドバイで世界最大の“2階建てプリント建物”が完成
2019年12月19日

管理人のイエイリです。

世界では建物などの建設に使われる大型3Dプリンターを開発する企業が続々と生まれています。

中でもエーピス・コー(apis cor)は、タワークレーンを小型化したような旋回式の3Dプリンターを開発。厳寒の地で48時間で低コスト住宅を「プリント」した企業として知られています。

エーピス・コーの旋回式3Dプリンター(以下の写真、資料:Courtesy of apis cor)

エーピス・コーの旋回式3Dプリンター(以下の写真、資料:Courtesy of apis cor)

厳寒の地で「プリント」された低コスト住宅

厳寒の地で「プリント」された低コスト住宅

同社はこのほど、この3Dプリンターを使い、ドバイで新たな建物を完成させました。その規模は2階建てで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

高さ9.5m、面積640m2

とビッグです。同社によると、3Dプリンターを使って基礎からそのまま立ち上げた“プリント建物”としては、世界最大規模とのことです。(apis cor の英文プレスリリースはこちら

ドバイで建設された世界最大の“プリント建物”

ドバイで建設された世界最大の“プリント建物”

施工時の現場全景。3Dブリンターはクレーンで移動させながら造形した

施工時の現場全景。3Dブリンターはクレーンで移動させながら造形した

建設に使われた旋回式3Dプリンター

建設に使われた旋回式3Dプリンター

それによると基礎は在来工法で造り、その上で3Dプリンターをクレーンで移動させながら壁などを造形していったそうです。造形には、「石こうベースの材料」を使いました。

造形に当たって現場をカバーで覆うことなく、温度や湿度の制御が難しい環境下で、作業を行いました。

まず1階部分を造って床となるプレキャストスラブを設置した後、その上に3Dプリンターを載せて2階部分の壁などを造形しました。

開口部の施工では、足場材を使って支えとなる型枠を設置した

開口部の施工では、足場材を使って支えとなる型枠を設置した

1階を造形後、床となるプレキャストスラブ上に3Dプリンターを移設して2階部分を造形した

1階を造形後、床となるプレキャストスラブ上に3Dプリンターを移設して2階部分を造形した

建物内部の階段

建物内部の階段

そして、注目すべきは、建物は構造計算を行って設計され、

柱には鉄筋

も入っていることです。 ここにコンクリートを打設すると、鉄筋コンクリート部材として機能します。

構造解析などを行って設計された

構造解析などを行って設計された

柱部分には鉄筋が入っている(左)。ファサードの仕上げには足場をかけて作業したようだ(右)

柱部分には鉄筋が入っている(左)。ファサードの仕上げには足場をかけて作業したようだ(右)

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同社はこの建物の建設過程を記録した動画「The Biggest 3d printed building」をYouTubeに公開しました。これを見ると、施工の流れがざっとわかりますよ。

エーピス・コーは今、米国・ボストンにあるオートデスク・テクノロジー・センターにオフィスを構えているようです。2020年には3Dプリンターの外販を始め、2021年には材料工場を建設予定とのこと。

“3Dプリント建設”のビジネスは、急速に拡大しているようです。

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