検討時間が4分の1に!国交省の「BIM/CIM事例集」にみる効果

2019年12月2日

管理人のイエイリです。

i-Constructionの「頭脳」とも言えるBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)は、実際のプロジェクトでどんな効果をもたらしているのでしょうか。

国土交通省は、「BIM/CIM事例集」を、2019年11月にPDF形式のデータを無料公開しました。

「BIM/CIM事例集」の目次(左)と1ページにまとめられた各事例(右)(以下の資料:「BIM/CIM事例集」より)

「BIM/CIM事例集」の目次(左)と1ページにまとめられた各事例(右)(以下の資料:「BIM/CIM事例集」より)

早速、ダウンロードして見たところ、

ナ、ナ、ナ、ナント、

全国各地から24の事例

について、検討時間や資料作成、合意形成などの実例が、1ページずつにまとめられているのです。(BIM/CIM事例集のダウンロードはBIM/CIMポータルサイトから

各事例の「効果」の欄を見てみると、「現場説明が60分かかっていたのが10分に短縮された」(Case4)、「道路の線形検討の時間が4分の1になった」(Case7)、「構造物の取り合い確認が7日から3日に短縮された」(Case17)など、“劇的”な効果の数々が並んでいます。

3Dのわかりやすさを生かした検討については次のようなものがありました。

Case6では、建設技術研究所が道路線形の変更による法面勾配の確認や安全対策などの検討を、詳細度300のCIMモデルで行ったところ、検討にかかわる時間が約4分の1に短縮されたそうです。

Case6:CIMモデルで行った検討の例

Case6:CIMモデルで行った検討の例

また、Case17では川田工業が橋梁上部高の主構造と付属物の取り合いについての確認作業が、従来の2次元図面だと7日程度かかるところ、CIMを活用した結果3日程度に短縮されたことが報告されています。

Case17のCIMによる桁端部本体と付属物の取り合い確認

Case17のCIMによる桁端部本体と付属物の取り合い確認

Case17で報告された検査路と排水管との干渉改善

Case17で報告された検査路と排水管との干渉改善

Case14では、オリエンタルコンサルタンツが橋梁の施工計画資料作成や照査、修正で作業日数を3分の2程度に短縮したほか、4Dを活用した施工計画で重機の配置や動線などの確認が簡単になったとのことです。

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Case14。4Dによる施工計画で、重機の配置や動線を容易に確認できた

Case14。4Dによる施工計画で、重機の配置や動線を容易に確認できた

このほか、Case21では、若松建設が橋脚工事を行う際、夜間作業に使用する照明が、アユのふ化場に与える影響をCIMで可視化したところ、漁業関係者などの理解が高まり、「バイアス」を取り除くことができました。

夜間工事を再現したCIMモデル(照明なしとありを当サイトでGIFアニメ化)

夜間工事を再現したCIMモデル(照明なしとありを当サイトでGIFアニメ化)

このほか、数量計算関係では、Case7で建設技術研究所が橋脚の数量計算や土量計算にCIMモデルを活用した結果、

数量算出時間が半減

したことが報告されています。

橋脚の数量計算イメージ

橋脚の数量計算イメージ

BIM/CIM事例集に掲載されている事例は、今から3年以上前のものがほとんどです。その当時から、これだけの効果があったことがわかります。

現在ではさらにBIM/CIMの活用技術も高まっていますので、これ以上の効果が発揮されているでしょう。

以前は新技術の導入で作業時間が短縮されると、発注者から値引きを要求されるといった懸念もあり、時間短縮の効果は“控えめ”に報告されていた面がありました。

しかし、BIM/CIM事例集を見ると、今はそんな時代ではないようです。これからも様々な成功事例が共有されるといいですね。

(訂正)
初出時に、BIM/CIM事例集と、BIM/CIMポータルサイトへのリンクが正しく張られておりませんでしたので、修正しました(2019年12月23時43分)

 
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