地味だけど生産性が5倍に!竹中工務店の仕上げ工事用アプリ「位置プラス進捗」

2020年4月6日

管理人のイエイリです。

施主の目に直接触れる仕上げ工事の進捗(しんちょく)管理は、現場監督が最も神経をすり減らす部分と言っても過言ではありません。

作業そのものよりも、仕上げ工事が今、どこで、どれだけ進んでいて、残っているところはどこかという情報収集と、職人さんとの情報共有に費やす手間ひまの方が圧倒的に多く、現場監督は完成間近の現場を“奔走”することになります。

仕上げ工事で「ダメ出し」が出た部分のイメージ(写真:家入龍太)

仕上げ工事で「ダメ出し」が出た部分のイメージ(写真:家入龍太)

そこで竹中工務店は、仕上げ工事における現場監督や職長、作業員の間でスムーズな情報共有を行おうと、スマートフォンやタブレット端末で使えるアプリ「位置プラス進捗」を開発しました。

スマホを使って「位置」というと、「ははぁ、AR(拡張現実)でも使って位置を特定するのかな」と、技術的な期待が高まります。しかし、仕上げ工事の場所を特定する手段としては、

ナ、ナ、ナ、ナント、

おなじみのQRコード

なのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら

「位置プラス進捗」の使用イメージ(以下の資料:竹中工務店)

「位置プラス進捗」の使用イメージ(以下の資料:竹中工務店)

まずは、仕上げ工事の「ダメ出し」がある部分を調べておき、どの部屋にどんな「ダメ出し」があるのかという情報を、工事関係者がスマホで見られるようにします。

同時に元請け会社は、ダメ出しがある工種名を部屋ごとに一覧表にしたシートを作成し、各部屋の入り口に張っておきます。

このときシートには、「ボード」や「パテ」、「床」など工種名の横にQRコードを印刷しておくのが、このシステムのポイントです。

各部屋にやってきた作業員は、部屋の入り口に張ってあるシートで自分担当する工種を確認し、スマホでQRコードを読み取り、「作業開始」を選んで送信。作業に取りかかります。

作業が終わると、また入り口に張ってあるシートのQRコードをスマホで読んで、「作業完了」を選んだ送信します。工程に影響しない軽微な修正作業が残ってしまった場合には、「ダメ残し」を選んで次の部屋の作業に移ることもできます。

たったこれだけですが、サーバーには今、どの部屋で作業が始まり、完了しているかという情報がリアルタイムに集約され、現場の進捗状況が一目瞭然なのです。この情報は、工事関係者全員が共有できます。

そのため、現場監督さんは、あれこれ残り作業を職長や作業員に指示しなくても、自動的に現場が回るという夢のようなシステムなのです。

このシステムのおかげで、進捗管理のために費やす現場監督さんの業務時間は、

80%も減る

ことが、竹中工務店の試算で明らかになりました。職長さんも65%減り、作業員自身も35%減るので、工事関係者全員がハッピーになれそうですね。

竹中工務店が約1万m2の集合住宅の新築工事を想定した仮想プロジェクトで、「位置プラス進捗」の使用による時短高価を試算した例

竹中工務店が約1万m2の集合住宅の新築工事を想定した仮想プロジェクトで、「位置プラス進捗」の使用による時短高価を試算した例

位置の特定にARや3Dスキャンといった先端技術ではなく、部屋に張ったQRコードを使っている点で、一見、地味な感じもするシステムです。

しかし、QRコードを印刷したシートは人間の目にも理解できますし、位置特定も短時間で確実に行えます。

そして、現場内の「移動のムダ」や「情報伝達のムダ」といった、生産性向上に効く本質的なムダを確実に排除しているところに、このシステムの強みがあると言えるでしょう。

なお、このシステムは同社の「位置プラス」シリーズのアプリとして、2020年度中に外販する予定です。

 
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