360度写真とAI、ロボ、BIMを連携!竹中工務店がHoloBuilderを改良
2020年4月10日

管理人のイエイリです。

今後、ますます働き手が減少していく建設業では、省人化を実現するために新しいICT(情報通信技術)が続々と導入されつつあります。

日本の技術だけでは不十分と、竹中工務店は米国カリフォルニア州のシリコンバレーに、現地のスタートアップ企業と連携するための拠点を設けています。(詳しくは、2018年6月14日付けの当ブログ記事を参照

竹中工務店が情報収集拠点としている米国カリフォルニア州サニービルのインキュベーション施設「プラグ・アンド・プレイ」(写真:家入龍太)

竹中工務店が情報収集拠点としている米国カリフォルニア州サニービルのインキュベーション施設「プラグ・アンド・プレイ」(写真:家入龍太)

そこで着目したのが、ホロビルダー社(HoloBuilder, Inc.。本社:サンフランシスコ市)が開発した「HoloBuilder」というクラウドサービスです。

360度カメラで現場を撮影し、工事の記録や施工管理に使うクラウドですが、竹中工務店は

ナ、ナ、ナ、ナント、

ホロビルダー社と連携

して、日本の現場に機能を開発することになったのです。(竹中工務店のプレスリリースはこちら

360度カメラで現場を記録する「HoloBuilder」の画面イメージ。撮影時は360°カメラをスマートフォンやタブレットにWiFi接続し、「HoloBuilder」専用アプリ「JobWalk」で操作する(写真:竹中工務店)

360度カメラで現場を記録する「HoloBuilder」の画面イメージ。撮影時は360°カメラをスマートフォンやタブレットにWiFi接続し、「HoloBuilder」専用アプリ「JobWalk」で操作する(写真:竹中工務店)

では、HoloBuilderとは、どんなソフトなのでしょうか。

まずは360度カメラで現場を撮影し、くまなく記録できるので撮影が短時間で行えます。そして撮影した位置は、図面上にプロットされます。

撮影した位置は図面上に整理される(以下の資料:HoloBuilder社)

撮影した位置は図面上に整理される(以下の資料:HoloBuilder社)

時期を変えて同じ場所で「定点撮影」しておくと、現在の現場と過去の現場の「ビフォー・アフター」を、同じアングルで比較することもできます。進捗管理に使えそうですね。

現在の現場(左)と過去の現場(右)を比較しているところ

現在の現場(左)と過去の現場(右)を比較しているところ

さらには360度写真上で長さを測ったり、施工の不具合をメモに残して、クラウドで情報共有することもできます。

360度写真上でのサッシの高さを計測している例

360度写真上でのサッシの高さを計測している例

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「HoloBuilder」の使用イメージ動画

また、360度写真とAI(人工知能)の画像認識機能を連携させて工事種別を推定する機能も付いています。

竹中工務店は、AI画像認識の性能を向上させるため、日本の建設現場の環境に適合した画像認識モデルに改良し、進捗管理の高度化に役立てる計画です。

さらに現場内を

ロボットやドローン

に自動巡回させて写真を撮影し、クラウドで共有する、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と現場写真をリンクして、検査業務を効率化するなどの技術も、ホロビルダー社と共同開発してきます。

竹中工務店では現在、8カ所の現場で「HoloBuilder」を試験導入しており、ユーザーにも好評のようです。

施工管理はこれまで、人間に頼ってきましたが、今後、これらのシステムで大幅に自動化が進みそうですね。

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