高解像度スキャンにより、複雑な配管測定が容易に
2019年10月28日

高解像度スキャンにより、複雑な配管測定が容易に

急速に進化するこの時代において、市場は常に変化しています。収益増加を実現するためにいかに市場変化のチャンスを迅速かつ効率よく掴むかが、どの企業にとっても必須タスクになっています。数多くの市場要員の中でも、政策志向は厳しい制約だと言えます。環境汚染が増す中、政府は環境保護の観点から数多くの企業に対し新たな要件を要求しています。

2018年6月22日、中華人民共和国の生態環境部および国家市場監督管理総局は「ディーゼル燃料大型車両からの排ガス規制値と測定方法(国6)」に関する基準を共同で発行し、2019年7月1日からその基準が実施されると規定しました。これらの基準に対応し、中国の主要自動車メーカーは今後実施される国6基準を満たすように設計変更を急速に進めています。次に何が起こるかというと、さまざまな主要自動車グループがそのサプライヤーに対し新たな要件の要求を開始します。

より複雑な設計

長江の南に位置する有名な都市、常州の常州国家ハイテク産業開発区にあるChangzhou Liangxu Auto Parts Co., Ltd. (以後「Liangxu」)は、排気管、 インタークーラー入口管や出口管、ラジエーター出口管、フェンダーサポート、クランプなどのさまざまなタイプの自動車アクセサリの製造に特化している企業で、China National Heavy Duty Truck Group Co., Ltd. の配管製品の主要サプライヤーです。

2007年上半期以来、Liangxuは新しい製品開発プロジェクトに取り組んでおり、新しい形態の製品が新たな課題をもたらしていました。あらゆるタイプの配管とサポートがLiangxuの主要製品です。通常、Liangxuはパイプ製品の測定に特化した接触式ポータブル3次元測定器を使って測定作業を実行していました。新製品開発プロジェクトを導入して以来、ベント管やシートメタルパーツの測定において新たな課題に直面していました。

例えば、ベント管の測定には、球状面を正しい位置に置き、通常測定アームを使って3点を測って測定します。しかしながら、端面がある程度短い場合、ドット方式で取得したデータは実際のデータからずれているため、測定結果が不正確になってしまいます。例えば、フェンダーサポートの測定には穴の位置だけでなく、ベント管の形状、配管の向き、パンチング溝のサイズなど重要情報の測定が関わります。このような複雑なタイプのサポートに直面した時、シンプルな2地点間の測定ではうまくいきません。

Liangxuの作業現場でのFARO ScanArm。

Liangxuの作業現場でのFARO ScanArm。

FARO ScanArmの導入

「このタイプの新製品の測定には、以前の2地点間測定で品質検査を行うことは不可能です。スキャニング機能を使う以外はないので、当社は3Dスキャニング技術の導入を検討することになりました」紹介したのは、Liangxuの自動車アクセサリ技術のマネージャであるZhou Linyun氏でした。Liangxuは2017年11月に、日々の検査要件を満たすため、FARO QuantumS ScanArmを1セット導入しました。

短いベント管をスキャンするためにFARO ScanArmを使用中。

短いベント管をスキャンするためにFARO ScanArmを使用中。

FAROのQuantumSシリーズのScanArmsは、FAROのベンチマーク製品です。この製品は ISO 10360-12:2016の国際基準認定を取得した初の測定アームです。その測定精度は非常に正確です。2地点間の接触式測定とFAROBluレーザースキャナーを使った非接触式測定を実施できます。これら2つの操作モードにより、パーツを分解しなくてもシームレスな切り替えが実現できます。

FAROBlu™レーザースキャナーはブルーレーザー技術を使用しています。赤色レーザーと比較すると、ブルーレーザーは波長が短く、対象物の詳細なディテールの認識能力が高いので、より高解像度でより優れたスキャニング結果を実現可能です。実際のスキャニングは1ラインに付き最大2,000点にまでなるので、FAROBluレーザースキャナーは複雑なパーツの詳細な特長をデータ取得できます。より賞賛すべき点は、暗面や反射面のあるコンポーネントやパーツでさえも、FAROBluレーザースキャナーであれば正確かつ完全な点群データを簡単に取得できる点です。

現在、Liangxuの技術チームはFARO ScanArmを使い、ベント管やフェンダーサポートをスキャンし、それからデジタルモデルと比較し、カラーでグラフィック品質レポートを得ています。ベント管が仕様書内に収まっているか、どのパーツが公差制限を超えているかを見つけるには非常に便利です。このことから、Liangxuの技術者は次に何をすべきか自信をもって決断できます。

課題がチャンスに

Liangxuでは、新製品の開発に、顧客の設計図に従った金型のカスタマイズ、初回品生産、初回品検査、固定治具と検査治具のカスタマイズなどが含まれます。金型検査、初回品検査あるいは顧客による自動車荷重中の検査に関するものであるかどうかに関わらず、FARO ScanArmが提供してくれる正確な測定の保証とは切り離せません。さまざまな配管サイズは30-40cmから2mまであり、測定精度要件は±0.1mmです。FARO ScanArmは、測定範囲と測定精度の両面において、Liangxuの日々の測定精度要件を完璧に満たすことができます。

ベント管のスキャンデータをデジタルモデルと比較中。

ベント管のスキャンデータをデジタルモデルと比較中。

FARO QuantumSを導入して以来、Liangxuは以前の測定問題を解決できただけでなく、新しい注文や要件にも容易に対処できるようになりました。国6基準発行以来、自動車排気管と様々なサポートの設計更新はLiangxuに新たなチャンスをもたらしました。

この方針の影響で、Liangxuは2018年後期より生産繁盛期が続いています。「FAROの機器は基本的に当社要件を満たしています。特にスキャニング機能は、当社新製品開発の測定要件を十分に満たしています」と、Zhouマネージャは述べています。

チャンスは常に備えている者に与えられるものであり、企業も然りです。FAROは品質と効率の向上を求める企業に対し、高品質な測定ソリューションを提供することに真剣に取り組んでいます。FAROはより多くの企業が新技術のメリットをフルに活用し、変化し続ける環境の中で勇敢に進み続けてほしいと願っております。

詳しくは、FAROのウェブサイトで。

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